| 車イスに乗ると泣きやむネロちゃんと ママの闘病記 |
2007年9月、あまり暑くはない日でした。私とネロちゃんの初対面の日です。
優しそうなご主人が、彼女を抱えてお見えになりました。傍らには、若い奥さんが寄り添っています。
「このコ、もうすぐ17歳になるんです。うしろ足がすっかり弱ってしまって・・・」と奥さん。
おとなしくて性格の良さそうなワンちゃんです。物おじもせず、ワンともスンとも言わず、
私を見つめていました。
「そうですか、かなり長生きですね。大事にしてもらっていたんですね。このコは・・・、だけど、
近いうちに前足も弱ってくるでしょうね。」「ハイ、覚悟してるんです。4輪もできるんですか?」
「もちろんです。とりあえず今は2輪にしますが、4輪の部品も追加しておきますよ。」
「それは、自分で取り付け出来るんですか?」「簡単ですよ、ドライバー1本で出来ますから。」
というような会話があり、ネロちゃんはご両親(?)のクルマに乗せられ、中型犬用車イス2号車と
共に、片道90分の道のりを帰って行きました。(彼女の体重は12kg、体高46cmでした。)
これで当分、散歩が楽になるだろう。と思っていました。
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ところが、老化スピードが速かったのです。
この頃はまだ、2輪ですんでおりましたが、
なぜか
頭が、右後ろを向く癖が出てきていました。 |
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2007/11/7
ネロはこの頃ますます起き上がれなくなりましたが、
本人は起き上がりたくてしかたありません。
ですから車いすがとても役に立っています。
ただ、ネロの場合、体が左に傾いてしまい車いすに乗せると左に倒れてしまいます。それで、右の車輪の上におもりをつけました。(写真右)
重りをつけると、うまくいきました。年取った犬の場合はネロのようになる可能性があります。どちらの車輪にも、重りをつけたり外したりできるといいと思います。
皆川
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2007/11/8
左に傾く対策は、車輪のアームをハの字状にもっと広げる(今でも少し広がっていますが)、
ネジを外して組み直せばできます。そのほうが、王道です。
車イスの設計者は誰でも、脚への負担を少なくするために、極力軽くしようとします。
重りを付けると走行抵抗が増えるので、脚への負担は大きくなります。 設計者
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皆川さんは
設計者のアドバイスを取り入れ
重りを外して
上の写真のように後輪を大きくハの字に広げて
倒れ防止対策をされました。 |
2008/1/8
写真を送ります。
ネロは2日前からますます起き上がれなくなってしまいました。以前から頭が右後ろにいってしまい、体が半分に折れるほど右後ろを見ます。
その状態が2日前からもっとひどくなり、前足で支えることもできなくなってしまいました。
車いすに乗ることもできなくなってしまい、困っていたのですが、前の支えをつけたところ、また車イスに乗ることができるようになりホッとしています。
頭が右後ろを向いてしまい体が右に倒れてしまうので車椅子に乗ったまま右にぐるぐる回っています。
でもネロは起きていられるのがいいようで、寝たままだと自分では起き上がれないのでクーンクーン泣くのですが車いすに乗っていれば泣きません。
運動にもなって夜も寝てくれるので、私もとても助かります。ネロも私も松本さんに出会えて本当によかったです。
それではお風邪などひかれませんように。
皆川
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| 4輪に乗るネロちゃん |
2008/1/23
この写真を撮る2日前にネロの状態がひどくなり、前輪をつけたのですが最初はつけ方のバランスが悪くネロがひっくり返ったりしたので、横に広げたり、後ろを低くしたりしてうまくいくようになりました。
もう少し様子を見て、大丈夫そうならねじを完全に止めようと思っています。
こちらに来ていただけるということで、遠いのに申し訳ないのですがぜひお待ちしています。いらっしゃれるのは土曜日か日曜日ですよね?
2月3日、9日は一日中いつでも大丈夫です。1月26日は午後から大丈夫です。
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2008/2/6
今週初めからネロが全く起き上がれなくなり
ご飯も食べれなくなてしまいました。今は
小さな注射器で水と離乳食を流し込んでいます。
このままでは9日に来ていただいても
車いすに乗ることができません。様子を見て
どちらにしても金曜日の夜にお電話します。
申し訳ありません。
2008/2/8
ネロは相変わらずの状態が続いています。
寝かせてばかりいると泣くので、家の中に車いすを入れて写真のように体を支えながら乗せています。
老衰だと思います。
この車いすがあったおかげで、ネロは本当に幸せだったと思います。
皆川
天国からのお迎えが近いことを覚悟されている皆川さん。 悲痛。
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車イスごと支えてやらないと倒れてしまうそうです。
こんなに弱ってしまったネロちゃんですが、
車イスに乗ると泣き止むそうです。
それほど車イスが好きなのでしょうか?
それもあるかも知れませんが、多分、四つ足動物の本能で、最後まで立っていたいのでしょう。
野生の動物にとって、
立てなくなるということは重大です。
食べることも飲むこともできなくなるばかりでなく、
すぐに天敵の餌食になってしまうからです。
どんなかたちであれ車イスに乗っていると、
立っているような気分になるのでしょうか。
設計者
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| 2008/2/13 とうとうその時がやってきてしまいました。 |
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松本様
13日にネロは天国へ旅立ちました。
わかっていたことなのですが、今は心にぽっかりと穴があいてしまったようで
何も手に付きません。来週には車いすをお返しできると思います。
短い間でしたが、松本さんの車椅子を使うことができて
ネロは本当に幸せでした。車いすがなかったらずっと寝たきりだったのですから。
本当にありがとうございました。また連絡させていただきます。
皆川
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2008/2/17
皆川 様
慰めの言葉も見つからず、返信が遅れてしまいました。
どんなに気落ちなさったことか、お察し申し上げます。
ネロちゃんのおかげで、車イスが老犬にとって
無くてはならないものだということが、
本当に実感できました。
皆川さんと車イス大好きのネロちゃんに感謝しています。
私もお蔭様でますますヤル気になり、目下、大型犬用車イスを製作中です。
既に42kgの超大型犬にモニターになっていただいて
好評でしたので、自信をもって進めています。
松本
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| そして2月22日、皆川さんから次のご感想が届きました。 |
16歳半を過ぎたころから、すっかり後ろ足が弱ってしまい、もう散歩は無理かと思っていました。
インターネットで探していたら松本さんの車椅子と出会い、とても助かりました。
ネロは前足はしっかりしていたので、車いすで後ろ足を支えるたら、歩けるようになりました。
それまでは後ろ足を引きずるようにしていたのです。
でも、しばらくしてから、もう自分では起き上がることができなくなってしまいました。
それでも、ネロも寝た切りはいやなようで、何とか起きようとするのです。
それで車いすがとても役に立ったのです。
寝てると起き上がれないのが悲しいのでしょう。クーンクーンと鳴くのです。
車いすに乗せて庭に出してやると、一生懸命歩いていました。
とてもいい運動になり、夜も疲れて寝てくれるので、
私はとても助かりました。
ご飯を食べさせたり、水を飲ませたりする時も車いすがあって助かったのです。
自分では起き上がれないので、車いすがないと私一人では、片手でネロを支え、
片手でご飯を食べさせなくてはいけなくてとても大変だったのです。
ですから雨の日も車いすを家の中に入れて乗せていました。
最後のほうは前足も弱ってきたので前足部分も車輪をつけて補助してあげることで
亡くなる間際まで車いすに乗ることができ、おかげで床ずれをすることもなく
過ごせました。
松本さんの車いすに出会えて、ネロも私も本当に幸せでした。
今は感謝の気持ちでいっぱいです。
皆川
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| ネロちゃんに合掌 |